地球温暖化と脱炭素の罠
 京都議定書が作られて以来、地球温暖化が人間の生死を左右する問題であるかのように全世界で議論が沸騰してきた。
確かに金星のように灼熱の惑星になっては人間はもちろん、全ての生物が生きられなくなってしまうことは言うまでもないだろう。
 しかし忘れてはいけないことが一つだけ有る。
それは地球が今も生きている惑星だということだ。

 ぼくらも風邪をひく。 そしたら体温は嫌でも高くなる。
かと思えば体温が低い人だってふつうに居る。
 地球だって気温が上がったり下がったりするのはふつうのことなんだ。
 そりゃ気温が上がれば様々な問題が出てくる。
 湿度も高くなるだろうし、ゲリラ的な豪雨や洪水だって増える。
旱魃になれば植物が育たない。
そうなると飢餓問題が深刻になる。

 ここ46億年の間に地球も危機的な温度変化を何回も経験してきた。
全体が凍り付いて生態系が悉く破壊されたことだって有る。
酸素が完全に無くなって生物がほとんど死に絶えたことも有る。
それから比べたら今の温暖化は生易しいとも思えてくる。
ではなぜ、今の温暖化で過剰なほどに騒いでいるのか?
 その一つの要因は騒ぐことで金になるからだ。
環境活動家の問題だね。
環境を守れと訴えることはある意味で金を動かしやすい。
だから活動家が騒いでしまう。
 でも騒ぐだけ騒いでいて実際には何もしない。
 何もしないから環境はどんどん悪くなっていく。
そうすればさらにヒステリックに騒ぎ続けるだろう。
これを面白いと思う人たちだって居る。
まったくアホらしいことだ。

 環境を守ることって何をすればいいんだろうか?
分かりやすいのは山。
 環境を守るために放置された山は荒れ放題に荒れまくって土砂崩れを惹き起こす。
最近の豪雨ではよく見る光景だ。
これを見て治水の専門家は地下水の観察とか堤防の強化とか、とんちんかんなことばかり吐き捨てる。
そんなことでは土砂災害は無くならない。
 最大時の問題は山をどう管理するかということなのに。

 山は元来、保水力を持っている。 それはなぜか?
たくさんの木が草が根を張り巡らせて泥や石を囲っているからだ。
土砂崩れを惹き起こす最初の要因は処理されずに積もり積もった腐葉土なんだよ。
腐葉土は信じられないほど水をよく吸い込む。 それで重くなり流れやすくなった腐葉土が下へ下へ落ちていく。
トン単位で流れ下る腐葉土が木を薙倒し石を押し流す。
そうすれば山肌が削り取られて第二第三の土石流を惹き起こす。
それが川を堰き止め、堤防を破壊して住宅地へ押し寄せる。
こうなったら人間はとてもじゃないが太刀打ちできない。
それが今の土砂災害の真実じゃないか?
 環境を守るために放置した山が大災害を招き寄せるんだ。
考え方が逆なんだよね。
 環境を守るためにはきちんと手入れをして整備していかないといけない。
 積もり積もった腐葉土は取り除き、定期的に植林をする。
それが本当の意味で山を守ることなんだよ。
 腐葉土は農地や園芸用で使えばいいし、間引きした木は工芸品などで使えばいい。

 さてさて、最近も騒がれ続けている脱炭素なんだけど、何もしなくても地球は自然に脱炭素をやってくれている。
わざわざ人間が苦心してやることは無い。
 一つは植物の光合成だ。
もう一つは岩だ。
 山が雨風に侵食されて削られ磨かれて石になり砂利になって海にまで運ばれる。
砂になって海底に溜まったらそれがまた圧縮されて岩になる。
この時、海水に溶け込んでいる膨大な量の二酸化炭素を吸収して閉じ込めてくれる。
地球の七割は海なんだから毎年膨大な量の二酸化炭素を閉じ込めてるわけだね。
 それがいつか地殻変動によって地球の奥へ動いて行ったり山になったりするわけだ。
 だからさ、電気自動車とかなんとかって人間が苦労して作らなくても脱炭素はやれるんだよ。
せっせと木を植えて山を育てることだね。
そして少しずつでも砂漠を減らすことだね。
砂漠を作り出したのは人間なんだから。
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