【ピュアBL】心が読める推しとアイドルユニットを組むモノガタリ
8.自分の気持ち
デビュー曲は年が明けてから発売された。俺らのユニットがデビューする情報が解禁されてからはテレビ、SNS、雑誌……メディアに今まで撮りためていたものを一気に世間に放出し、ぐいぐい宣伝していった。そのお陰もあり、話題にもなったし、デビュー曲のランキングは2位を突き放し、堂々の1位となった。
ふたりで〝おめでとう会〟と称して、ミニパーティーを開いた。いつもと違う雰囲気にしようと思い、外食を提案したのにいつものように「僕が作ります」と、白桃大知は料理を作ってくれた。だけどいつもよりも品数が多く、今日だけカロリーを気にしないで揚げ物も沢山作ってくれたから、いつもとは違う雰囲気になった。
料理を運び終えた白桃大知は、ダイニングテーブルの俺の向かい側に座る。
「それではあらためまして、デビュー曲『恋煩いと願い』が無事に発売されたのと、ランキングの1位、おめでとう!」
俺がそう言うと、赤ワインが入ったグラスで乾杯した。白桃大知はお酒が弱いからグラスに入ってるのは、ふたくちぐらいの量。少しだけなのに、それを飲んだだけで白桃大知の顔は、ほんのり赤みが帯びてくる。
全部綺麗に食べてから「ごちそうさまでした。こんなに食べたの久しぶりだわ。美味しかった、ありがとう」とお礼を言うと、白桃大知は微笑んで『喜んでくれて良かった』と、心の中で呟いていた。
食べ終えた後は、ソファでふたり並んで最終回の録画を再び観た。
ドラマの中での白桃大知が演じた晶哉はBL内の役割でいうと、攻めだ。パッと見るとおっとり系の晶哉よりも生意気なタイプの瑠依の方が攻めに見えるが、晶哉が覚醒?すると本領発揮し、晶哉の攻めが表面に現れてくる。
「なぁ、このドラマでは晶哉が攻めで俺が受けだけど、リアルな俺たちはどうなんだろうな……」
「攻めと受け? なんですかそれは」
「知らないの?」
そっか、俺はドラマが決まってからすぐに原作もチェックしてBLについても調べまくったけど……。白桃大知は特に何も調べてないのか。
「なんていえばいんだろう。BLで恋愛関係になったふたりの、積極的になるタイプの方が攻めで、攻めはぐいぐい攻めて、受けはそれに応える感じ?」
「あの、それって遥斗くんは僕との関係をそういう風に意識してくれてるってことですか?」
白桃大知の言葉を聞いた瞬間、心臓ごと、時間が止まった気がした。
なんでこんな質問をしてしまったのだろう。
「いや、それは……」
上手く答えれない。
「僕は、ずっと意識していますけどね」
こっちを見つめる瞳がとろんとしていている。あのワインの量だけで酔ったのか?
突然白桃大知は俺に覆いかぶさってきて、ふたりはソファの上で倒れた。
「おい、やめろ」
白桃大知は離れない。
やめろと言ったけれど、嫌ではなかった。
大切なものを扱うように、優しく抱きしめてくる。
白桃大知の体温が丁寧に伝わってくる。
それが心地よかった。
「僕、ずっと遥斗くんが大好きです。愛しています」
どう返事をするのが正解なんだと考えていたら、全身の力が一気に抜けてきた。
じっとしていると、寝息が聞こえてきた。
顔が見えないけれど、寝た?
しばらく離れないでそのままでいた。
そして白桃大知のぬくもりを感じ、寝息を聞きながら、自分の気持ちをあらためて確認する。
俺も白桃大知のことが、好きだと――。
ふたりで〝おめでとう会〟と称して、ミニパーティーを開いた。いつもと違う雰囲気にしようと思い、外食を提案したのにいつものように「僕が作ります」と、白桃大知は料理を作ってくれた。だけどいつもよりも品数が多く、今日だけカロリーを気にしないで揚げ物も沢山作ってくれたから、いつもとは違う雰囲気になった。
料理を運び終えた白桃大知は、ダイニングテーブルの俺の向かい側に座る。
「それではあらためまして、デビュー曲『恋煩いと願い』が無事に発売されたのと、ランキングの1位、おめでとう!」
俺がそう言うと、赤ワインが入ったグラスで乾杯した。白桃大知はお酒が弱いからグラスに入ってるのは、ふたくちぐらいの量。少しだけなのに、それを飲んだだけで白桃大知の顔は、ほんのり赤みが帯びてくる。
全部綺麗に食べてから「ごちそうさまでした。こんなに食べたの久しぶりだわ。美味しかった、ありがとう」とお礼を言うと、白桃大知は微笑んで『喜んでくれて良かった』と、心の中で呟いていた。
食べ終えた後は、ソファでふたり並んで最終回の録画を再び観た。
ドラマの中での白桃大知が演じた晶哉はBL内の役割でいうと、攻めだ。パッと見るとおっとり系の晶哉よりも生意気なタイプの瑠依の方が攻めに見えるが、晶哉が覚醒?すると本領発揮し、晶哉の攻めが表面に現れてくる。
「なぁ、このドラマでは晶哉が攻めで俺が受けだけど、リアルな俺たちはどうなんだろうな……」
「攻めと受け? なんですかそれは」
「知らないの?」
そっか、俺はドラマが決まってからすぐに原作もチェックしてBLについても調べまくったけど……。白桃大知は特に何も調べてないのか。
「なんていえばいんだろう。BLで恋愛関係になったふたりの、積極的になるタイプの方が攻めで、攻めはぐいぐい攻めて、受けはそれに応える感じ?」
「あの、それって遥斗くんは僕との関係をそういう風に意識してくれてるってことですか?」
白桃大知の言葉を聞いた瞬間、心臓ごと、時間が止まった気がした。
なんでこんな質問をしてしまったのだろう。
「いや、それは……」
上手く答えれない。
「僕は、ずっと意識していますけどね」
こっちを見つめる瞳がとろんとしていている。あのワインの量だけで酔ったのか?
突然白桃大知は俺に覆いかぶさってきて、ふたりはソファの上で倒れた。
「おい、やめろ」
白桃大知は離れない。
やめろと言ったけれど、嫌ではなかった。
大切なものを扱うように、優しく抱きしめてくる。
白桃大知の体温が丁寧に伝わってくる。
それが心地よかった。
「僕、ずっと遥斗くんが大好きです。愛しています」
どう返事をするのが正解なんだと考えていたら、全身の力が一気に抜けてきた。
じっとしていると、寝息が聞こえてきた。
顔が見えないけれど、寝た?
しばらく離れないでそのままでいた。
そして白桃大知のぬくもりを感じ、寝息を聞きながら、自分の気持ちをあらためて確認する。
俺も白桃大知のことが、好きだと――。