【ピュアBL】心が読める推しとアイドルユニットを組むモノガタリ
3.同居初日
同居を始めた次の日。
朝目覚めると、ジュージュー料理する音と、食欲がそそる香ばしい匂いがした。
「まじかよ、朝ご飯誰かに作ってもらったのなんて、実家にいた時以来だ」
「遥斗くん、おはようございます」
起きてリビングへ行くと、白桃大知が爽やかな表情で俺を迎えてきた。
住んでいるマンションは2LDK。家具は必要最低限で、余計なものは何も無いシンプルなリビング。その中に見覚えのないものが。ソファ前にある白いローテーブルの上に丸い加湿器があり、加湿器からはモワモワ水蒸気が出ていた。七色に交互に光るデザインで、部屋は白い家具で揃えてあったから、家具の色が引き立て役になり、加湿器がより目立つ。
「歌うためには喉、命なんで。これ昨日買ってきました。寝室用もあるのであとで置いておきます」
『遥斗くんはよく風邪ひきそうな前兆の声をしているから。昨日もそうだったし……これを使って毎日喉の調子が良くなるといいな』
加湿器をじっと見ていたら白桃大知が説明してきた。俺の喉を心配してくれている心の声も。いつもは喉のために寝室に濡れタオルを干してはいたけれど、加湿器の方が効き目がありそうだ。
「歌と言えば、白桃は歌えるの?」
「う、歌ですか……あの……」
『遥斗さんの歌は毎日練習していた。しかもハモリの方で。遥斗さんが歌うメインパートを聴きながら、寄り添うように……』
まじか、自信ありそうな心の声だな。じゃあ俺のソロデビュー曲、歌ってみるかな?
「荒れる~、雪の中で~」
「「静かに立っていた君を~見つけた~……♪」」
ハモってと頼んでいないのに空気を読んでハモってきた白桃大知。
ハモリは完璧だった。
歌がかなり上手い。
「上手いな」
「あ、ありがとうございます」
『遥斗くんに褒められた、嬉しい』
白桃大知の心の中の声ははしゃいでいる様子だ。俺に褒められると嬉しいのか。
「遥斗くん、ご飯出来ました」
「ありがとう。今日はふたりの宣材撮りから始まって、それからCMの撮影でそれから……」
マネージャーから送られてきたスケジュールをスマホで確認しながら読み上げた。ユニット結成した直後から、かなりスケジュール詰め込んでるなこれ。
「忙しいけど、頑張ろう」
自分にも言い聞かせるように呟いた。
「は、はい。頑張ります」
『遥斗さんと一緒に写る……隣が僕で、本当にいいのだろうか。一緒に撮影か……ドキドキしてくる』
緊張してるな、そりゃあするよな。初日から撮影沢山あって、となりには推しの俺がいるし。
「大丈夫だ。俺がリードしてやるから」
「あ、ありがとうございます!!!」
朝から目玉焼きにポテトサラダプラス千切りキャベツ。味噌汁の中にはワカメと長ネギと豆腐、そして白米。俺はいつもプロテインとパン、それからサプリメントとかをささっと口に入れるだけだから、それらがふたり用のダイニングテーブルに並ぶのは新鮮な光景だった。
しかも白桃大知は料理が上手くて、全部が美味しかった。
「味噌汁、おかわりある?」
「はい、あります」
白桃大知は軽い足取りで俺のお椀を持ち、味噌汁をよそいにいった。
背中を見ていると、白桃大知が可愛く思えてきた。
ご飯を食べ、準備を終えたタイミングでちょうどマネージャーが車で迎えに来た。
***
朝目覚めると、ジュージュー料理する音と、食欲がそそる香ばしい匂いがした。
「まじかよ、朝ご飯誰かに作ってもらったのなんて、実家にいた時以来だ」
「遥斗くん、おはようございます」
起きてリビングへ行くと、白桃大知が爽やかな表情で俺を迎えてきた。
住んでいるマンションは2LDK。家具は必要最低限で、余計なものは何も無いシンプルなリビング。その中に見覚えのないものが。ソファ前にある白いローテーブルの上に丸い加湿器があり、加湿器からはモワモワ水蒸気が出ていた。七色に交互に光るデザインで、部屋は白い家具で揃えてあったから、家具の色が引き立て役になり、加湿器がより目立つ。
「歌うためには喉、命なんで。これ昨日買ってきました。寝室用もあるのであとで置いておきます」
『遥斗くんはよく風邪ひきそうな前兆の声をしているから。昨日もそうだったし……これを使って毎日喉の調子が良くなるといいな』
加湿器をじっと見ていたら白桃大知が説明してきた。俺の喉を心配してくれている心の声も。いつもは喉のために寝室に濡れタオルを干してはいたけれど、加湿器の方が効き目がありそうだ。
「歌と言えば、白桃は歌えるの?」
「う、歌ですか……あの……」
『遥斗さんの歌は毎日練習していた。しかもハモリの方で。遥斗さんが歌うメインパートを聴きながら、寄り添うように……』
まじか、自信ありそうな心の声だな。じゃあ俺のソロデビュー曲、歌ってみるかな?
「荒れる~、雪の中で~」
「「静かに立っていた君を~見つけた~……♪」」
ハモってと頼んでいないのに空気を読んでハモってきた白桃大知。
ハモリは完璧だった。
歌がかなり上手い。
「上手いな」
「あ、ありがとうございます」
『遥斗くんに褒められた、嬉しい』
白桃大知の心の中の声ははしゃいでいる様子だ。俺に褒められると嬉しいのか。
「遥斗くん、ご飯出来ました」
「ありがとう。今日はふたりの宣材撮りから始まって、それからCMの撮影でそれから……」
マネージャーから送られてきたスケジュールをスマホで確認しながら読み上げた。ユニット結成した直後から、かなりスケジュール詰め込んでるなこれ。
「忙しいけど、頑張ろう」
自分にも言い聞かせるように呟いた。
「は、はい。頑張ります」
『遥斗さんと一緒に写る……隣が僕で、本当にいいのだろうか。一緒に撮影か……ドキドキしてくる』
緊張してるな、そりゃあするよな。初日から撮影沢山あって、となりには推しの俺がいるし。
「大丈夫だ。俺がリードしてやるから」
「あ、ありがとうございます!!!」
朝から目玉焼きにポテトサラダプラス千切りキャベツ。味噌汁の中にはワカメと長ネギと豆腐、そして白米。俺はいつもプロテインとパン、それからサプリメントとかをささっと口に入れるだけだから、それらがふたり用のダイニングテーブルに並ぶのは新鮮な光景だった。
しかも白桃大知は料理が上手くて、全部が美味しかった。
「味噌汁、おかわりある?」
「はい、あります」
白桃大知は軽い足取りで俺のお椀を持ち、味噌汁をよそいにいった。
背中を見ていると、白桃大知が可愛く思えてきた。
ご飯を食べ、準備を終えたタイミングでちょうどマネージャーが車で迎えに来た。
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