カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「空と雨の色」

「はい」

「ムカつくけど悪くなかった」

「本当に?」

「あぁ」

「じゃあ、お姉さんを縛りつけてることは?」

「ほっとけばいいだろ。お姉さんだって満足そうだったじゃん」

「でも絶対間違ってます。おかしいと思いませんか?お姉さんと同じような状況の方も外に出て人生を謳歌してます。外に出て感じられる幸せを奪う権利は弟さんにも無いと思います」

「相変わらず神経質だな」

「だって…!」

「それがあの二人の幸せなんだよ。お前の常識だけが全てじゃない」

そんなことは分かってる。
弟さんがお姉さんを守りたい気持ちも分かる。

でもあのまま一生二人きりで同じ状態で生きていける保証なんてないじゃん。

そんなことを思っても私に人の人生を変える力なんてない。

諦めなきゃいけないことも頭では分かってる。

「それに先輩のこと絶対バレてましたよ」

「別にいい」

「どうするんですか?生徒会のことバラされたら」

「あの二人はしないだろうな。あのまま消えるだろうから」
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