カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
そうだった。

私は入学試験でトップの成績だったらしい。
入学手続きの時に聞いた時は驚いたけれど、そんなこと自分では信じられなくてすっかり忘れてた。

「そうみたい…ですね」

「中学でも生徒会入ってたって?」

「はい」

さすがに生徒会長には全部の情報が入るらしい。

「役職は?」

「一応………生徒会長でした」

「へぇ。ずいぶんとゆるい学校だったのか?」

「はぁ!?」

「経歴が華々しいお嬢様はどんな高スペックかと思ったら、案外バカなんだな」

「ちょっ…!なんですかそれ!?」

「カナデ、言い過ぎよ」

「あのな?日誌を取れって言うのはお前はまだ入学して一ヶ月も経ってないだろ。生徒会のことも学園のことも把握してもらわなきゃ困るんだよ。流れを掴めって言ってんの。書記になれなんて言ってないだろ。お前、本当に元会長様か?」

「っ…すみませんでした…」

「砂雪ちゃん、気にしないで?カナデはどうしちゃったのかなぁ?ヤなことでもあった?」

「みなみ、うるせーよ」

「はいはい。えっと、それでね砂雪ちゃん。今日は依頼が無いから日誌も書くことってあんまり無いんじゃないかな?初日の感想でも書いててくれたらいいから!」

「分かりました」

くっそ!
なんなのこの人!

聞いてた噂と全然違うじゃん!
誰よ、完璧人間、もはや神様だみたいなデマを流したのは!

…依頼ってなんだろう?
今更になって鈴城さんの言葉が気になったけれど、イライラが頂点に達していた私は、それ以上話をする余裕は無かった。

「鬼会長」

一日の報告欄に私が書いたのはその一言だけ。
これを本郷先輩が見る日が来るのかは分からないけれど、真実だ。

ざまーみろ!
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