カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜

世界で一番大嫌い

一睡もできないまま朝がきて、本当にしんどそうな私を見てお母さんは学校に電話をしてくれた。

「担任の先生、すごく心配してたわよ」

「ん」

「お母さん、仕事行くけど大丈夫?」

「うん」

「欲しい物あったらメッセージ送っといてね。帰りに買ってくるから」

「ありがとう。いってらっしゃい、気をつけてね」

高校生になって初めての試験を飛ばした。
その事実が妙に今の私を安心させた。

だってもがいたってしょうがないから。
私の成績はゼロ点。
生徒会員なのに。先生に期待されてたのに。
すっぽかしたもんはしょうがない。

だってもう、戻らないから。

こうやって全部、逃げちゃえばいいんだ。

そう思ったら急に脳も体もラクになって、睡魔が襲ってきた。

お母さんが帰ってくる夕方まで死んだように眠り続けて、目が覚めた時には外は薄暗かった。

悠太の夢は見なかった。

水曜日だった。
次の日も休んだから、全ての試験科目を飛ばした。

試験は二日間だけど、金曜日も行く気にはなれなくてそのまま欠席した。

土曜日も日曜日も引きこもって、モネにだけはメッセージを送った。
モネはいつも優しかった。
私の味方だった。

悠太からはなんの連絡も来なくて、日にちが経つにつれて、あぁ現実なんだなって思った。

試験が終わって、金曜日の放課後からは部活動も生徒会も再開されたはずだった。

日曜日の夜に中村さんから体調を心配することと、
金曜日に七不思議の依頼を二件済ませたこと、月曜日には復帰できそう?無理しないでねってメッセージが来た。

「学校にはたぶん行けます」って返した。
生徒会に顔を出す気分にはなれなかったけれど、そんな無責任なことは言えない。

月曜日になったらきっと私は生徒会室に向かっているんだろうけど、本郷先輩には会いたくなかった。
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