カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
男子達が教室から出ていった。

それと入れ替わるように先輩達が入ってきた。

長谷川さんが静かにハンカチで涙を拭ってくれた。

「砂雪ちゃん、頑張ったね」

鈴城さんがしゃがんで、頭をよしよしってしてくれた。

「先輩達…どこに居たんですか…」

「あいつらには本郷 カナデの呼び出しで生徒会室に来るようにって、みなみがさっきの男子にことづてしてたらしいんだ。俺からの呼び出しは無視できないからな」

「それで、ここに連れてきて、ごめんね。ずっと廊下で聞いてたの」

「そうですか…」

「ごめん、ちょっと二人にして?」

本郷先輩がみんなにお願いして、先輩達はそれぞれ私の頭を優しくぽんぽんってしてくれてから、教室を出ていった。

鈴城さんみたいにしゃがんで、頬を撫でる本郷先輩の手の平は相変わらず冷たい。

「いつから知ってたんですか。私の好きな人が悠太だってこと」

「お前らがカフェに行くよりずっと前から知ってたよ」

「なんで…」

「言っただろ。お前の恋を壊すって。最初はただ砂雪が失恋してしまえばいいのにって思ってただけだった。お前達をカフェの前で見た時から、あいつと居るお前の表情を見た時からどうしようもない感情に襲われた。だから本気でお前の恋を壊したくなった」

「悠太が音声を聴かせたのは月曜日ですよね?あの日、先輩はファンの子達にご褒美をあげてた日じゃないですか。どうやって?」

「たまたまだよ。校庭に行く前に砂雪の教室に行って、あわよくばあいつの前で砂雪を連れ出してやろうって思ってた。お前には砂雪に手出しできないって。こいつは俺のものだって全員に言ってやりたかった」

「けっこう小学生みたいなんですね」

「こんな時にふざけるなよ」

「あはは…ごめんなさい」
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