カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「お疲れ様でーす!」

「砂雪ちゃん、相変わらず一番最後ね」

「そうやって長谷川さんはいつもジャスミンティー淹れてくれますよね」

「待ち構えてるからねー」

放課後。

生徒会室に着いて、じゃれる私と長谷川さんに、戸田さんが電卓を叩きながら「仲良しねぇ」って言った。

「今日は依頼…っていうか生徒会の問題を解決するんですっけ?」

「生徒会の、っていうよりカナデのね」

「対象者はあのギャルさんですよね」

「そうそう。砂雪ちゃんがいつも怖がってるあの子」

中村さんと戸田さんが顔を見合わせて笑った。
二人とも、自分がマークされてないからって他人事なんだから!

「怖がることないわよ」

鈴城さんが私の肩をぽんってした。

「でも怖いですよ、あの人。どなたか同じクラスですか?あの感じだと三年生?」

「三年生は三年生だけど」

本郷先輩が紅茶を飲みながら外を見て言った。

「そろそろだな」

「そろそろね」

隣で鈴城さんも外を見下ろしている。

長谷川さんも二人の肩越しに窓から見える運動場を見下ろして「来た来たー」ってちょっと楽しそうに言った。

「それじゃみんな、行こっか」

鈴城さんが言って、全員が立ち上がった。

「今日は全員で行けるんですか!?」

「そうよ。生徒会切っての案件だからねー」

ギャルさんが抱える問題ってなんだろう。

ちょっと過激派すぎるとか?

ギャルさんは怖いけど、本郷先輩の熱烈な支持者だ。
本郷帝国を守り続けるなら必要な存在だと思うけど、生徒会が総出で向かうなんて、よっぽどのことなのかもしれない。
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