カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「お待たせ」

ギャルさんとの待ち合わせは朝礼台の前。

昨日の放課後、本郷先輩が帰るのを校門前で待ち構えていたギャルさんに先輩が直接言ったらしい。

先輩からの直々のアポ取りに、ギャルさんは気絶しかけたらしいけど…。
ていうかなんで昨日は校門前で待っていたんだろう。
いつも教室や生徒会室の前まで押しかけているのに。

本郷先輩以外の生徒会員達も、もう隠れなかった。
これはギャルさんが依頼をしてきたわけじゃなくて、生徒会が自ら乗り出した案件だったから。

「かっ…カナデ様!お声をかけていただけるなんて…死んじゃいそう…」

「大袈裟だよ」

本郷先輩は私の前とはやっぱり別人だ。

ただ穏やかに微笑んで、声のトーンだって違う。
全体的にやわらかい印象を与える。

本当はこんな人じゃない。

余裕の無い表情も、乱暴なキスも、私だけ…

私………

あれ?なんだろ、この気持ち。

なんか、私、変。
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