カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「本郷先輩!」
教卓の目の前の女子が手を挙げた。
「うん?」
「なんで本郷先輩が来てくれたんですか!」
「各クラスの担任に任せてもいいんだけど、やっぱり初めての夏休みだからね。生徒代表として直接お願いしたかったんだ。一年生とは交流する機会もあまり無いし」
「他のクラスにも行くんですかー?」
「朝礼だけじゃ回りきれないから、他のクラスは一時間目から回るよ」
A組から順番に回ってきたのかなって思ったけれど、うちのクラスは階段から一番近い教室だった。
このクラスから順番に回るらしい。
一時間目の授業が少し潰れる上に、本郷先輩と会えることに、女子達は「ずるーい!」ってブーブー言った。
中村さんが廊下側から、本郷先輩が窓側の列からプリントを一列の人数分、一番前の席の生徒に配っていった。
みんなが規律事項に目を通している間、そんなことする必要も無いのに、本郷先輩は試験官みたいに席と席の間をぐるっと歩いて回った。
私の席の前に来た時。
先輩がスッと腰を曲げて、囁いた。
「夏服、可愛いね」
ハッとして周りを見渡した。
誰も本郷先輩が言った声に気づいていなかった。
それよりも先輩が近くにいることに対しての騒ぎのほうが大きかったから。
「みんな静かにしなさいってー!早く署名しなさい。生徒会長は忙しいんだからね!」
担任が手を叩いて生徒達をなだめた。
私達は高校生なのに、担任は保育士さんに見えてきた。
本郷先輩が何食わぬ顔で教卓に戻った瞬間に、署名が次々と本郷先輩の元に戻った。
私も冷静を装ってプリントを提出に行った。
中村さんに渡そうとしたのに、本郷先輩が「砂雪」って私を呼んだ。
クラスのみんなが私を見た。
「きゃー…!」とか囁くように黄色い声を出す女子まで居た。
ちょっと…何してくれてんのよー!
本郷先輩がひらひらと手の平を私に差し出す。
中村さんが「諦めな」って小さい声で言った。
「須藤 砂雪さんは生徒会員なのに会長に挨拶も無しなんて、強気だね」
教卓の目の前の女子が手を挙げた。
「うん?」
「なんで本郷先輩が来てくれたんですか!」
「各クラスの担任に任せてもいいんだけど、やっぱり初めての夏休みだからね。生徒代表として直接お願いしたかったんだ。一年生とは交流する機会もあまり無いし」
「他のクラスにも行くんですかー?」
「朝礼だけじゃ回りきれないから、他のクラスは一時間目から回るよ」
A組から順番に回ってきたのかなって思ったけれど、うちのクラスは階段から一番近い教室だった。
このクラスから順番に回るらしい。
一時間目の授業が少し潰れる上に、本郷先輩と会えることに、女子達は「ずるーい!」ってブーブー言った。
中村さんが廊下側から、本郷先輩が窓側の列からプリントを一列の人数分、一番前の席の生徒に配っていった。
みんなが規律事項に目を通している間、そんなことする必要も無いのに、本郷先輩は試験官みたいに席と席の間をぐるっと歩いて回った。
私の席の前に来た時。
先輩がスッと腰を曲げて、囁いた。
「夏服、可愛いね」
ハッとして周りを見渡した。
誰も本郷先輩が言った声に気づいていなかった。
それよりも先輩が近くにいることに対しての騒ぎのほうが大きかったから。
「みんな静かにしなさいってー!早く署名しなさい。生徒会長は忙しいんだからね!」
担任が手を叩いて生徒達をなだめた。
私達は高校生なのに、担任は保育士さんに見えてきた。
本郷先輩が何食わぬ顔で教卓に戻った瞬間に、署名が次々と本郷先輩の元に戻った。
私も冷静を装ってプリントを提出に行った。
中村さんに渡そうとしたのに、本郷先輩が「砂雪」って私を呼んだ。
クラスのみんなが私を見た。
「きゃー…!」とか囁くように黄色い声を出す女子まで居た。
ちょっと…何してくれてんのよー!
本郷先輩がひらひらと手の平を私に差し出す。
中村さんが「諦めな」って小さい声で言った。
「須藤 砂雪さんは生徒会員なのに会長に挨拶も無しなんて、強気だね」