カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
先輩のおどけた言い方は、もう女子達を制御できなかった。

ずるいとか、やっぱ生徒会入りたかったとか、教室の熱は最高潮に達した。

その隙に先輩が低い声で言った。

「昼休み、生徒会室に来い」

先輩の目だけを見て、署名を教卓に置いて席に戻った。

本郷先輩と中村さんが出ていっても教室は騒がしかったし、次は隣の教室から悲鳴が聞こえてきた。

私は女子達に囲まれて、いかに自分が恵まれているかをみっちり説き伏せられた。

でもちょうどよかった。

私も本郷先輩に話したいことがあった。

生徒会の時間はみんなが居るし、二人で居残りしても不自然だし。

本郷先輩とじっくり話をするなら今日しか無い!
私は決意を固めた。

今日はモネが学校を休んでいた。
一緒に夏服デビューしようねって約束してた日だったけど、風邪を引いてしまったらしい。

朝礼前にメッセージを送ったら「夏風邪はなんとやらだよねぇ」って落ち込んでいて可愛かった。

生徒会が終わったらお見舞いに行こうって思っていたから、あまり長くは残れなかったし。
昼休みに呼び出されたことは好都合だった。

でも先輩も私に用事があるのかな?
いや、先輩のことだからどうせ気まぐれだ。

ひょっとして一人で過ごすお昼休みが寂しくなったのかもしれない。

…そんな可愛らしい男子とは思えないけど!
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