カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「悠太!」

朝礼が終わって、教室を出た悠太を呼び止めた。

「砂雪?どうした?」

「ごめん、用事?」

「いや、トイレ」

「あー、そっか。ごめんね」

「大丈夫。どうした?」

「あー…うん、えっとね」

「ん?」

「明日…って暇?どこか遊び行かない?」

「明日?空いてるけど」

「ほんと!?悠太が良ければだけど、二人で…だめかな?」

「全然いいよ。じゃあさ、行きたいとこあるんだけど、いい?」

「え?悠太が行きたいところ?うん!行きたい!」

「良かった。じゃあまた夜に連絡するわ」

「うん!ねぇ、どこに行くの?」

「まだ内緒」

悠太は笑って、私に背を向けた。

まさか悠太から行きたい場所を提案してくれるなんて思ってなかった。

これってデートだよね?
どうしよう…嬉しすぎる!

あぁ、でも何を着て行こう。
帰ったら洋服選び、頑張らなきゃ!

明日のデートのことを考えると顔がほころんでしまって、必死で口角を下げるのが大変だった。

一日はあっという間に過ぎた。
魔法だ…。悠太って魔法使いだったんだ…。

そんなバカなことを思ってしまうくらい、恋ってなんて楽しいんだろう。
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