カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「じゃあね、モネ。また月曜日に」

「うんっ!生徒会、頑張ってね」

生徒会に入ってからまだ二回目の活動だけど、モネとも遊べなくなったなぁって早速感じてしまった。

生徒会は私が望んだことだし、それは中学の時から分かっていたことなのに。

モネはいつも私のやりたいことを一番に応援してくれる。
学校のことも、悠太のことも。

モネは明るくて愛嬌があって人懐っこい。
ビジュにだって華やかさがある。

高校に入ってからもすぐに友達がいっぱいできて、私が居なくてもモネが一人になることはない。
それなのにいつも私を選んでくれる。

そのたびに私は、モネを裏切ったり傷つけたり、悲しませるようなことは絶対にしちゃいけないって心に刻むんだ。

「モネ、ごめんね」

「ん?何がー?」

「生徒会に入ってからモネとも遊べなくなったし、休みの日も…。私、悠太のことばっか言っちゃったよね…」

きょとんとしたモネが、ふふって可愛い顔で笑った。

「なーに言ってんの!サユちゃんが楽しそうだったらモネは嬉しいんだよ?」

「あのね、モネ!」

「なぁに?」

「私、モネのこと大好きだからね!」

「…もう、どうしたの?今日のサユちゃん、変だよ?」

「だってなんかモネに頼りっぱなしでさ…私は自分のやりたいことばっかり言ってるし…」

「それがサユちゃんでしょ?」

「え?」

「サユちゃんが生徒会長やってた時も受験の時も思ってたよ。やりたいことに億劫にならずにやりたいって言えるサユちゃんはかっこいいって。それに必ず実現しちゃうしさ。モネはそういうサユちゃんを一番近くで見ていたいの。だからこれからも我慢なんかしちゃだめ!分かった?」

「モネ…。ありがとう」

「それに、知ってるよ」

「うん?」

「サユちゃんがモネを大好きってこと」

「あはは!そっか!それならいいんだ」

モネはにっこり笑って、教室を出ていった。

モネを大切にしたい。
一生で一番大切な親友だって言えるよ。

私がモネにしてあげられることってなんだろう。
ただ自分がしたいことに突き進むことがモネへの恩返しになるはずがない。

そばに居るだけじゃなんだか悔しいもん。
私もモネの力になりたいよ。

今はそれがなんなのかまだ分からないけれど、いつかモネに恩返しができるといいな。

教室の時計の針は三時五十分に差しかかろうとしている。
生徒会の集まりは四時からだ。

「やっば!」

急いでカバンを取って教室を飛び出した。
二日目で遅刻なんかしたら、今度こそ本郷先輩に除籍を言い渡されちゃうかも!
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