カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「来ねぇのかよ…」

「いつも強引なくせに私に求めないでください!」

「強引でも嫌がんない?だったらするけど?」

「場所と状況によるかなー」

「ふーん。ほんとは触って欲しかったんだ?」

カナデくんこそ私のこと挑発してる。
仕返しのつもりなのかな。
前よりももっと強く感じるドキドキが悔しい。
こんなはずじゃなかったのに。

「好きになれよ。うんざりするほど愛してやるから」

ほらまた上から目線。
結局自分が優位に立てるって思ってるんだ。

「カナデくん。キス、しましょうか。シテいいですよ」

「しなーい」

「なんでですか?」

「両想いじゃない子とキスとかしないって決めたんだ」

ニッて笑ったカナデくんのくちびるが相変わらず美しくて、焦らされたことが悔しくてソファから乱暴に立ち上がった。

「戻ります!」

「んー。遅れんなよ」

変だ。

好きって言ったくせに。

死ぬほど愛してやるとか恥ずかしいこと言ったくせに。

その日からカナデくんは私に触れなくなった。
挑発もしなくなった。

生徒会室で二人っきりになっても他の女子達の前と同じようにただニコニコと微笑んで、私の話を聞いていた。

変だ!

絶対に変だよ!
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