カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「モネ、カナデくんなんだけどさ」

「カナデくん?」

「あ…そう呼べって」

「へぇ、付き合ってんの?」

「ううん。付き合ってない。っていうか最近避けられてる」

「なんで?」

「めちゃめちゃ触ったりしてきたくせに全然しなくなったし話すらもそんなに」

「めちゃめちゃしてたんだ…」

「もー!思ってるようなことじゃないからね!?」

「はいはい。それで?サユちゃんは触ってもらえないからイライラしてんの?」

「そんなんじゃなくて…」

明日は一学期の終業式。
一学期だけでいろんなことがあった。

後から振り返ってもすごく濃い時間なんだろうなぁ。

「散々好きだって言ったくせに変じゃん」

「拗ねてるんだね」

放課後だった。
クラスの全員が帰ってしまって、モネと二人だけで座ってダラダラと喋っていた。
こんな時間もすごく久しぶりだった。

「んー。拗ねてんのかな?」

「拗ねてるでしょ。サユちゃんも残酷だね」

「何が?」

「誰に相談してるか分かってんの?」

「あ…ごめ…」

「もー冗談でしょ!モネは嬉しいよ?サユちゃんがまた新しい恋ができそうなこと」

「恋っていうか…」

「うん?」

「そうやって私に好きとかなんとか言って惑わして、結局居なくなるんなら死んじゃえって思う」

「え?」

「どいつもこいつも私なら簡単に騙せるって思ってんのかな」

「違うでしょ本郷先輩は!サユちゃん、疑心暗鬼になってるんだよ。悠太のことは本当に酷いって思うよ。サユちゃんはなんにも悪くない!」

「あはは。ありがと」

「ね、一回ちゃんと本郷先輩と話したほうがいいよ?だってサユちゃんこそまだちゃんと好きだって言ってないんでしょ?」

「…そうだよね」

「うん。そうだよ。ほら、先輩だって男だもん。意地悪くらいしたくなっちゃうよ」
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