カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「砂雪?どうした?」

「夏休み、二人で会いたいです」

「夏休み?あぁ…それはいいけど」

「ほんとですか?連れて行きたいところがあります」

「連れて行きたいところ?あのカフェとか?」

意地悪を言うカナデくんは本当に楽しそうに笑う。
私を怒らせたっていいことなんて無いのに!

「バカ!」

「冗談だよ。砂雪、怒んないで?」

「…怒ってません。いつなら空いてますか?」

「いつでも」

「いつでも?じゃあ明日でも?」

カナデくんがそんなに暇だとは思えない。
スケジュールも詰まってそうだし、直近での約束は無理かもなって思っていた。

けれどカナデくんは「いいよ」って即答した。

「いいんですか?」

「自分が言ったくせになんで驚いてんの」

「いや、突然なのに…」

「砂雪に誘われて断るわけないじゃん」

本当によく分からない人。
じゃあなんで私のこと避けてたの?

今だってそう…。
いつもはもっとスキンシップしてくるくせに。

でもいいの。
私はもう決めた。

明日、カナデくんに本当の気持ちを伝えようって。

じゃなきゃもう、いつの間にか膨れあがっていた想いが破裂して、どうにかなっちゃいそうだった。
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