カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜

溶け合う

パフスリーブの白いワンピース。
膝よりも下の丈感で、歩くたびに風になびいて綺麗だから、私のお気に入り。

待ち合わせ場所は学園から一番最寄りの駅。

私が着くよりも先にカナデくんは待っていてくれた。
あぁ、なんだか悠太の時と一緒。
また待たせちゃったなってちょっと落ち込んだ。

「ごめんなさい。絶対にカナデくんより先に着くと思ったんだけど…」

「別に遅刻してないじゃん」

「でも…」

「俺が早かっただけだろ?それで、どこ連れてってくれんの?」

「私の秘密基地です!」

「秘密基地?」

「はい。モネ以外で人類で二人目ですよ?」

「初めてじゃないのかよ」

「あはは。モネは人類で一番大事な親友なんで」

「ふーん?」

カナデくんの表情は何故か嬉しそうだった。

「じゃあ行きましょうか!」

目的地は学園とは反対方向に十分くらいの徒歩で行ける場所だった。

私は日傘を持ってきていたから、カナデくんと二人で使った。
傘はカナデくんが持ってくれた。
私達の周りに黒い影ができて、相合傘ってよく晴れた夏でも叶うんだ、なんて思った。

「とうちゃーく!」

「え?秘密基地ってココ?」

「そうですよ?さ、エレベーターはこっちです」

六階建てのよくあるマンション。
その一室にカナデくんを案内した。

一部屋の間取りは1DK。
トイレとお風呂はセパレートで、ドアで仕切れるキッチン、リビングと寝室もスライドドアで間仕切りされている。

「どうぞ」

「お邪魔します…?」

「どうですか?私の秘密基地です」

「えーっと、誰の家?」

「やだなぁ。私のに決まってるでしょ?不法侵入って思ってるんですか?」

「お前んちはココじゃないだろ?」

「カナデくん、今日はそんなこといいじゃないですか」

「いやでも…」

「いいじゃないですか!今度話します。言ったじゃないですか。先輩に話してない秘密があるって」

「この部屋のこと?」

「それもですけど。今日はその話はまだしません。ね?お願いします。私の部屋だってことは嘘じゃないから。ここしか二人きりになれる場所、無かったから…」
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