カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「まだ居るって。しかも下足箱って、もう出てくるんじゃない?」

「うん、アレ…」

指をさした先に、こっちに向かって歩いてくるカナデくんと鈴城さんの姿。

こうやって見たら本当にお似合いの二人。
その空間だけが切り取られた絵画みたいに違う世界に見える。

「砂雪ちゃん…?」

「砂雪?」

二人に声をかけられても私はしばらく動けなかった。

絶望していた。

やっぱり私とカナデくんは共存できない存在なんだって。

「あっ…あの、サユちゃんの友達のモネです!」

「うん、知ってるよ」

カナデくんがニコって笑った。
相手があのギャルさんなら卒倒しているに違いない。

「えっと、私達遊んでたんですけど、すれ違った人達がお二人が学園に居るって喋ってて…それで…」

「あー、そうそうカナデ、コレよ」

鈴城さんがカナデくんにスマホを見せた。

「なんだコレ」

「私達の盗撮だよー。どうする?注意喚起する?」

「ほっとけ。キリが無い」

なんでそんなに落ち着いてるの?
浮気現場を見られてるんだよ?

なんでもっと弁解したりしないの?
本当に遊びだったの?
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