カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「ねー、砂雪ちゃん。酷いと思わない?」

「…」

私にもスマホの画面を見せびらかす鈴城さん。

二人の姿を称賛してる投稿ばっかり。
自慢のつもり?

「砂雪ちゃん?」

「サユちゃん?どうしたの?」

「気分が悪いです」

「えっ?具合悪いの!?大変…熱中症かも!」

鈴城さんが心配そうに顔を覗き込んでくる。

俯いたまま黙っている私の腕を掴んで、カナデくんが早足で歩いた。

「ちょっと、カナデ!?」

「みなみ、その子も熱中症なったらヤバいから送ってって!」

モネと鈴城さんがどんどん遠ざかる。
「気分が悪い」って言葉を鈴城さんは違う意味で受け取った。

でもカナデくんはきっと気づいてる。
絶対にそうだって思った。

「カナデくん速いよ」

「平気だろ?ほんとに具合悪いの?」

ほらやっぱり…。

「でも本当に熱中症とかだったら困るな」
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