カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
手を引かれて玄関…?ロビー?までやって来たわけだけど。

執事さん?に招かれて豪邸の内部にまで侵入してしまった!

インテリアや、どこが頭で、そもそもなんの形なのか分からないオブジェ、絵画とかには触らないようにしよう。

うっかり壊しでもしたら一生借金地獄確定だろう。

「すっ…ごいおうち…」

「いずれはお前の家だろ」

「どういう意味ですか?」

「違うの?」

「え…」

「カナデ様。ご昼食はお召し上がりですか?お部屋にお持ちしましょうか?」

「いや、いい。飲み物も要らない。部屋にまだあるから」

「そうでございますか。それではごゆっくり」

執事さんが私にまで頭を下げてくれて、ぎこちない会釈を返した。

「執事って実在するんですね」

「ここのことは全て任せてる。人を雇う時も父さんよりあの人の意見のほうが絶対だな。家のことなら父さんより把握してるかもな」

「それって大丈夫ですか?ドラマとかだと裏切りとか…」

「無いよ。大丈夫、俺達の代まであの人が居てくれるといいな?」

カナデくんは意味深なことを言って、螺旋階段を上っていく。

慌てて私もカナデくんを追った。
< 204 / 236 >

この作品をシェア

pagetop