カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「みなみさんは?何にしますか?」

会計の戸田さんが鈴城さんに聞いた。
鈴城さんは「カナデと同じので」って言った。

「砂雪ちゃんは?」

戸田さんが私にも聞いてくれたからちょっと驚いて返答に困ってしまった。

「砂雪ちゃん?」

「いいんですか?私もいただいて」

「言ったでしょ?生徒会員の特権だって。あなたも生徒会員でしょ?」

戸田さんから紅茶を受け取った鈴城さんは熱そうにふーふーしながら言った。

「えっと、じゃあジャスミンティーをお願いします」

ジャスミンティーが入ったカップを渡してくれながら、戸田さんは「自由に飲んでいいんだからね」って言ってくれた。
その時に気づいてしまった。

カップの持ち手のところに筆記体でサユキって刻印があることに。

みんなが持つカップは真っ白で同じ物に統一されていた。
きっとそれぞれの持ち手に名前が刻印されているんだ。

これも、私の為に用意された物。

胸の奥がジーンとした。

飲み物なんて貰ったら、絶対に本郷先輩に厚かましいとかなんとか嫌味を言われると思っていた。
でも先輩は何も言わなかった。
最初から私のカップも用意されていたからだ。

生徒会二日目。
一員として認められていることが発覚して嬉しかった。
< 21 / 236 >

この作品をシェア

pagetop