カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「カナデくん、変だと思いません?この部屋のこと」

「部屋?まぁ…実家があるのにマンションの部屋があるってどういうことだよって思うけど」

「そうですよね。この部屋はね、お母さんが借りてくれてるんです。正確にはお母さんの彼氏さんが、ですけど」

「彼氏?」

「うち、父親は居ないんですよ。それは些細な理由で離婚してるだけなんでいいんですけど、ここはお母さんの名義で、お金は彼氏さんが出してくれてます」

「なんで?普段は実感で暮らしてるんだろ?」

「はい。でもね、私達もそうだけど…」

カナデくんに近づいたら、そのままベッドに倒れ込んで、カナデくんが仰向けに、私を抱っこする体勢になった。

そのままごろんって横になって、今度はバックハグされる体制になって、なんだかそれが一番落ち着いた。

今日は冷房もつけているし、くっついてても平気だった。

「こうやって二人きりになりたいじゃないですか?」

「砂雪だって一日中家に居るわけじゃないじゃん」

「外泊したい時だってあるでしょ?それも一泊とか二泊じゃ足りないことだってきっとあるじゃないですか」

「すればいいじゃん。部屋借りるほどのことじゃないだろ。そこに娘を追いやるほうが異常だ」
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