カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
バックハグの体勢で首にキスをしながら、手は私のブラウスの裾から入って直接肌に触れている。

強くはない触れ方がじれったい。

「私がここで大人しくしてくれてればお母さんだって愛してもらえて幸せだし、彼氏さんもッ…私にイライラすることもない…でしょ………ゃ…ンッ…カナデくんッ…」

「んー?」

「大事な話してるんですよ」

「聞いてるよちゃんと」

「うそ…ッ」

無理矢理カナデくんのほうを向いて、手を止めさせた。

「我慢してください!」

「はいはい。それで?砂雪のお母さんはどうなの?お前のことちゃんと愛してくれてるのか?」

「お母さんは私のことが大好きです。私もそうだし。でもね、母親であり、女なんです」

「おんな」

「誰かに愛されていたいじゃないですか。女として。それを抑えつけるのって寂しいですよね。私はお母さんが愛されてて嬉しいです」

「砂雪がいいならいいんだけど」

「それで、私、ここですることなんてなんにも無かったから勉強ばっかりしてたんですよ。ただひたすらに」

「参考書ばっかだもんな」

「カナデくんに本屋で会ったのは中一の時だから全然関係ないんですけどね…。あぁ、でもカナデくんと再会した時に本屋に居た理由は、お母さん達に頼まれたからです。少しだけ、家から出てて欲しいの、って。しょうがないから適当に時間を潰そうと思って本屋に行ったんです」

「それすらも運命の日に感じる俺はおかしいのかな」

「今となってはそうですね…。それから少ししてこの部屋を借りてくれました。いつまでも女の子をぶらぶらさせられないからって。ここで過ごすようになってから成績はグングン上がって、絶対にこの学園を受験するべきだって言われました」

「現に入試は歴代トップだったもんな」

「歴代?それはカナデくんでしょ?」

「お前にあっさり抜かれたんだよ。ムカつくから公表はしてない」

「あはは!子どもみたい」

「うるせー」
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