カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「私ね、本当は本郷 カナデを王座から引きずりおろしてやろうと思って学園に入ったんですよ」

「俺を?」

「カナデくんとの過去のことはすっかり忘れてました。勉強することでしか自分を誇示できなくて、なんにも持っていなかったから、全てを持ってるような本郷 カナデを私の下に引きずりおろしてやろうって…」

「俺は砂雪にもう一度会いたくてずっと探してた。もう一度会えたらもう情けない男なんかじゃないって、変わったんだってとこを見せたくて積み上げてきたけど、お前はそんな俺が嫌いだったんだな」

「全部が胡散臭く見えました。まるで神様みたいに扱われて、高性能のアンドロイドみたいに完璧で。だから…こんなつもりじゃなかった…」

隠していた秘密を聞いても、カナデくんは私を優しく撫で続けた。

「こんなつもりじゃなかったって?」

「カナデくんは本当に…完璧でした。容姿や頭脳、身体能力だけじゃない。学園の生徒達への配慮も、生徒会室で見せる本当の顔も。弱いところも。アンドロイドなんかじゃなくて、ちゃんと人間なんだって実感するたびにカナデくんの心を覗くことが怖くなっていきました」

「なんで?」

「好きになってしまうのが怖かったんです」

カナデくんが触れるくらいのキスをしてニコッて笑った。
愛おしい目。

吸い込まれそう。
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