カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「後悔したわよ…。何度も何度も後悔した。死ぬほど後悔した。後悔しても一生許されないって思った。砂雪ちゃんのこと本当に大好きなのに…カナデの味方でいたい一心で…私は間違った味方になってた。私を許さなくていい。私の存在を疎ましく思ってたっていい。でもね…」

私を見た鈴城さんの顔は涙でぐちゃぐちゃだった。

「私は砂雪ちゃんのことが大好き。カナデのこともずっとだいじだよ。だから心から二人の幸せだけを願ってる。信じてくれなくてもいい。でも知ってて欲しい。私はあなたの敵じゃない。人が信じられなくなっておかしくなりそうなら私が聞いてあげる。それで砂雪ちゃんの心が晴れなくても何度でも聞いてあげる。私に八つ当たりしたっていい。だからもうカナデを疑わないで。カナデの愛だけは信じてあげて…。ずっと砂雪ちゃんだけを想って生きてきた人なの…」

「サユちゃん…」

モネが両手で私の手の平を包んだ。
モネの手が小さくて、あったかくて…震えていて涙がこぼれた。

「モネ…なんで…?」

重たそうに体を起こしたカナデくんを鈴城さんが気遣った。
平気…って言ったカナデくんの声はかすれて、平気そうには聞こえない。

「モネちゃんに相談されてたの」

「相談?」

「あのね、サユちゃんと一緒に学園に本郷先輩の様子を探りに行ったじゃない?あの日、二人が帰ったあと鈴城先輩に相談したの…」

しゃくりあげながら言うモネの手にどんどん力が入る。

今の私にはそんな権利無いんだけど、モネの背中をさすってみたら、手の力がほどけていった。
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