カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「まずは、次期生徒会員についてです。生徒会長、二年B組、中村。副会長、同じく二年B組、戸田。会長・副会長代理、二年A組、長谷川。そして書記は一年C組、須藤を任命します。この任期は来年度まで継続とします」
この瞬間、混乱の中で、生徒会員になって初めて、私に肩書きが与えられた。
「本来であれば生徒会員は全校生徒の投票を持って決定します。今回の任命は、今日まで僕達を支えてきてくれた現役員への感謝の意でもあります。もちろん、全校生徒、皆さんへの感謝も込めて、彼女達なら皆さんを正しく導いてくれると信じ、この学園を託したいという、僕の最後の我が儘です」
カナデくんは「生徒会員を守る」って言った。
カナデくんと鈴城さんが卒業してしまえば、私達はどうなるかなんて分からなかった。
でもカナデくんは約束を守った。
自分達が居なくなった後の、私達の居場所を守ったんだ。
「混乱を招いたこと、申し訳ございません。生徒会の任期は基本一年です。三年生である僕達も卒業まで生徒会員として皆さんを導く責任があるにも関わらず、このような勝手な結果となり、心から謝罪いたします。早期辞任に関しては、まもなく受験を控えていることはもちろんですが…一番は僕個人のけじめです」
「カナデさん!けじめってなんですか!?なんで私達には一言も相談してくれなかったんですか…」
魂を抜かれたみたいにパイプチェアにもたれていた中村さんがもう一度立ち上がってカナデくんに詰め寄った。
「中村ちゃん、驚かせてごめんね」
中村さんの手を握る鈴城さん。
戸田さんも長谷川さんも、もちろん私も全然事態が飲み込めていない。
「今日まで、僕は多勢の方々に支えられて生徒会長として学園の運営に携わってきました。絶対に一人ではできないことだったし、今でもまだまだ未熟だったと思います」
ステージの下からはすすり泣く声まで聞こえてきた。
カナデくんの最後の言葉をしっかり受け取ろうと、ただジッと耳を傾けている生徒もいる。
誰も騒いだり茶化したりしなかった。
「だけど…みんなごめん。俺が生徒会長としてこの学園に君臨したかったのは、たった一人の女性に見つけて欲しかったからです」
体育館全体の空気が変わった。
誤魔化すことなんてできなくて、生徒会全員が私を一斉に見たし、整列する生徒達の中から、モネが「わっ!」って短い声をあげた。
「えっ…」
ようやく声を発した私に、鈴城さんがニコニコと笑いかけてくる。
私は自分でも分かるくらい、顔が引きつった。
この瞬間、混乱の中で、生徒会員になって初めて、私に肩書きが与えられた。
「本来であれば生徒会員は全校生徒の投票を持って決定します。今回の任命は、今日まで僕達を支えてきてくれた現役員への感謝の意でもあります。もちろん、全校生徒、皆さんへの感謝も込めて、彼女達なら皆さんを正しく導いてくれると信じ、この学園を託したいという、僕の最後の我が儘です」
カナデくんは「生徒会員を守る」って言った。
カナデくんと鈴城さんが卒業してしまえば、私達はどうなるかなんて分からなかった。
でもカナデくんは約束を守った。
自分達が居なくなった後の、私達の居場所を守ったんだ。
「混乱を招いたこと、申し訳ございません。生徒会の任期は基本一年です。三年生である僕達も卒業まで生徒会員として皆さんを導く責任があるにも関わらず、このような勝手な結果となり、心から謝罪いたします。早期辞任に関しては、まもなく受験を控えていることはもちろんですが…一番は僕個人のけじめです」
「カナデさん!けじめってなんですか!?なんで私達には一言も相談してくれなかったんですか…」
魂を抜かれたみたいにパイプチェアにもたれていた中村さんがもう一度立ち上がってカナデくんに詰め寄った。
「中村ちゃん、驚かせてごめんね」
中村さんの手を握る鈴城さん。
戸田さんも長谷川さんも、もちろん私も全然事態が飲み込めていない。
「今日まで、僕は多勢の方々に支えられて生徒会長として学園の運営に携わってきました。絶対に一人ではできないことだったし、今でもまだまだ未熟だったと思います」
ステージの下からはすすり泣く声まで聞こえてきた。
カナデくんの最後の言葉をしっかり受け取ろうと、ただジッと耳を傾けている生徒もいる。
誰も騒いだり茶化したりしなかった。
「だけど…みんなごめん。俺が生徒会長としてこの学園に君臨したかったのは、たった一人の女性に見つけて欲しかったからです」
体育館全体の空気が変わった。
誤魔化すことなんてできなくて、生徒会全員が私を一斉に見たし、整列する生徒達の中から、モネが「わっ!」って短い声をあげた。
「えっ…」
ようやく声を発した私に、鈴城さんがニコニコと笑いかけてくる。
私は自分でも分かるくらい、顔が引きつった。