カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
鈴城さんがよしよしってあやすみたいに頭を撫でてくれる。

心臓はまだバクバクと大きく脈を打っているけれど気持ちは落ち着いてきた。

「本郷先輩もツラそうでした…なんで?」

「もしかして媚薬、口移しだった?」

「………はい」

「それじゃあカナデの体にも効果くらい出るわよ。強力なの、作らせてるから」

「…鈴城さんはなんで鎮静剤を?」

「カナデが何かよくないことを考えてるって分かってたから。砂雪ちゃんに使うんだろうなってことも。だからどこかで制御しないと…無いとは思うけどカナデの立場が悪くなっても困るし」

「なんで私にって?」

「…本当に覚えてないの?カナデのこと」

「それどういう意味なんですか」

「私からは言えない。カナデが言ってないのなら。ちゃんと本人の口から聞いて。でもカナデを覚えてないなんて砂雪ちゃんもなかなか凄いね」

「なんでですか?」

「普通忘れないじゃない。あんな人」

「まぁ…そうかも」

「砂雪ちゃん、本当に他の誰かに恋してるのね」

「はい…。でもどうしよう!?明日、その彼とデートなんです!他の男の人にこんなことされてどんな顔して会えばいいの!」

「…大丈夫。秘密にしよう?砂雪ちゃんは悪くないんだし。無かったことにはできないけど…」

「でもキス…されちゃった…」

「ごめんね。もっと早く助けてあげられてたら…」
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