カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「休みの日に悪いんだけどさ」

「うん」

「もうすぐ中間だろ。数学でどうしても分かんないとこあってさ。教えてくんない?」

「あー、数学…ね。うん、いいよ」

「マジ?休みなのにごめんな。学校じゃなかなかタイミング合わないしさ」

「全然いいよ。力になれるなら」

「ほんと砂雪が天才で助かる」

「あはは。天才なわけないじゃん」

理由はなんだっていい。
悠太ともう少し一緒に居られるし、おうちにまで行けるなんて!

「おうちの人は?」

「父さんも母さんも仕事」

「そっか。二人っきりかー」

「なぁー、言葉にされたら意識しちゃうだろ」

目を細めて私を見る悠太は口角だけが上がっていて、おどけてるんだって分かった。

こんな「冗談」も私達は言い合える。
それが冗談じゃなくなることを私は願ってるのに。

「あはは。悠太も男だねー」

「なんだそれ」
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