俺様御曹司は逃がさない
プイッとそっぽを向いた凛様。言うまでもなくあたしは嫌われている。アウェイ感ハンパないんですけどぉぉ……。


「そろそろ教室へ行こうか。柊弥、ちょっといいかな?」

「あ?なに?」

「前田さん、舞ちゃんを連れて先に行っててくれるかな?」

「承知いたしました。では、参りましょう」

「え、あ、はい」


笑顔で手を振る蓮様と、面倒くさそうな表情をしている九条。凛様はぷんすかぷんすかしながら眼鏡先輩……いや、上杉先輩を引き連れて部屋を出ていった。

・・・・無言で前田先輩の少し後ろを歩くあたし。ぶっちゃけ気まずいんですけど。


「……あ、あのぉ……」

「なんでしょうか」

「あたしって……嫌われてます?」

「そうですね」


めっちゃハッキリ言うじゃん。少しはオブラートに包もうとか思わないのかな!?


「ですが、七瀬さんのせいではありません。九条様のサーバント……というだけ忌み嫌われてしまうので、あまり気にしないことをお奨めします」

「はあ……そうですか」

「些か疑問なのですが、一体どのような手を使ってあの九条様のサーバントに?」


・・・・はあぁぁ。九条のサーバントになるために、あたしが卑怯な手を使ったとでも思ってるのかな?女だし、体を使って……的な?……いやいや、いい加減にして欲しいわ。こっちはなりたくてなったわけじゃないっつーの。


「不快に思われたのならすみません。あの九条様が自らサーバント契約をなさるとは思いもよらず……だったので」

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