俺様御曹司は逃がさない
──── どうも皆さん。おそらく明日退学になるであろう七瀬舞です。
だってさ?サーバント体力テストなんて、絶対に普通の体力テストじゃないよね?
運動神経にはそれなりの自信はあるけど、いきなりなんて無理だよ。体作りなんて一切してないんだし。
この体力テストが不甲斐ない結果に終われば、学力でカバーなんて到底しきれないあたしは、さよならバイバイ。
「七瀬さん」
「はい、なんでしょうか……」
「休憩に入る前に一度マスターの元へ向かいます」
「あーー、そうですか」
「……私達の出会いも何かの縁でしょう。明後日にはもう七瀬さんがここに居ない可能性もあるので、今日は記念に私が学食をご馳走しますよ」
あの、前田先輩。しれっと辛辣なのはやめてぇぇ。……とはいえ、急いで来ちゃったからお弁当も持ってきてないし、財布の中は……ワンコインのみ。
「あの、学食って500円以内で食べられますか?」
「500円ではドリンク1杯で終わりですね」
ははは。どうしよう……。初対面の人に奢ってもらうのは気が引ける。
でも、ぶっちゃけお腹がすいた!!
「前田先輩、本っっ当に申し訳ないんですけどぉぉ……ご馳走になってもよろしいでしょうか?いや、あの!!しっかりお返ししますので!!」