俺様御曹司は逃がさない
「不甲斐ない結果しか出せなかったら、あたしは天馬に居られないでしょ?だからっ……」

「はっ、くだらねえ。つーか努力しろよ、根性ねーな」

「……は?」

「お前がそんな根性なしだとは思わなかったわ。期待ハズレもいいとこ」


冷めた目であたしを見下すように見て、スーッとどこかの部屋に消えていった九条。

・・・・なんなの、あいつ。

こちとら我慢・気合い・根性だけが取り柄でやらせてもらってるんですけど?『根性なし』『期待ハズレ』……?

はぁあん!?何様よ!!ふざけんなぁぁ!!

仮にもあなたの“サーバント”なんですけど!?励ましの言葉とかないわけ!?それを根性なしだの期待ハズレだの言われたら、こっちだってヤル気失せるっつーの!!


「……なによあれ、馬鹿馬鹿しい」

 
あたしは九条の部屋から出て玄関へ向かった。外へ出ると車にもたれながら煙草を吸っている霧島さんが居る。


「あれ、柊弥様はっ……」

「知りません。さようなら」

「ちょちょちょっ!!」

 
煙草を片手に慌てながらあたしを引き止めた霧島さん。


「ちょ……待って、七瀬ちゃん!!何があったの!?柊弥に何かされた?つーか、逃げるのだけはマジで勘弁してくんない!?」

「…………」

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