俺様御曹司は逃がさない
「ねぇ、あの子……化物じゃない?」

「貧乏人が逞しいって本当なんだな」

「ありゃ女として無いだろ」

「必死すぎて哀れだわ。可哀想に~」


学力や家柄に圧倒的自信のある連中は、この体力テストを落としても、問題はないって余裕ぶっこいている感じがする。まあ、マスターの手前、手を抜くことはしてないだろうけどさ。

あたしは常に本気。手を抜かず、黙々とこなしている男子が結構厄介。やっぱ男女じゃ体の作りが違うし、パワーとか何もかも確実に劣る。まず1位を獲るのは厳しいだろうな……。でも、やるからには絶っ対に上位を獲る!!


「現在の時刻、13時半です。昼食休憩の後、15時から最後の種目を行います。それまでは各自、自由に過ごしていただいて結構です。では、解散」


・・・・今までやってきた種目の点数とか何もかも知らされてないし、周りとどれだけの差がついているかも分からない。最後の種目ってなんだろうなぁ。

あたしの予想は……まあ、持久走かなって思ってる。持久走はスピードがあればいいって問題じゃない。ペース配分、根性、戦略……色々と問われる競技ではある。サーバントの体力テストには持ってこいでしょ。

そんなことを考えながら休憩所へ行くと、昼食が用意されていて席には番号が振られていた。

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