俺様御曹司は逃がさない
「お、診察終わった~?生まれたての子馬ちゃ~~ん」


プルプル、ガクガクしながら歩いているあたしを見て、ゲラゲラ笑っているクズ条(九条)


「チッ。あんたさ、なんでずっとここに居るわけ?鬱陶しいんだけど」

「あ?だぁれのおかげでこの“特別室”に居られると思ってるわけ?礼を言って欲しいくらいなんだけどね~」

・・・・確かにこの部屋は凄い。もはや高級ホテルと言っても過言ではない。でも、別に頼んでもないしっ!!


「""特別室""がいいなんて、一言も言った覚えっ……」

「払えんの?」

「え?」

「""入院費""……払えんの?」


──── やっっっっばぁぁい。


「あ、あの……ちなみにおいくらで?」

「ここ10万」


じゅっ、10万!?


「1週間、部屋代だけで10万っ……」

「はあ~?お前なに言ってんの?」

「え?」

「ここ、""1泊""で10万な?」

「……へ?」

「ま、ド庶民が使う病室でも1日あたり1万くらいすんじゃない?この病院。最低でも7万は部屋代で飛ぶっつーこと。ちなみにここ、大部屋っつーもんはないからね~」


・・・・最低でも7万……。


「別にお前が払えるっつーなら、ド庶民が使う部屋にブチ込んでやっても良かったんだけどさー。どうせ払えないだろうから、優しい俺様が""特別""にここを用意してやったんだけど……なんか言うことねえの?」

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