俺様御曹司は逃がさない
やれやれ~みたいな顔をしている九条。あたしは腕を組み、冷めた目をして九条を睨み付ける。


「さて、本題に入ろうか」


『さて、本題に入ろうか』……じゃないわ。なに気取ってんのよ、イライラする。ベッドに腰かけて、脚を組んでる姿が悔しいくらい絵になりすぎてるから、尚更イライラしてくるわ。


「さっさとしてくれる?そして、このネックレスを外してさっさと出てってください」

「その首輪は特殊でね~。外れないようロックがかかってんだよ。ちなみにロックの解除は俺のスマホじゃないと出来ないよ~」


なるほど。こいつからスマホを奪えばいいってわけね。


「あ、ちなみに暗証番号入力しなきゃ解除できないし、そもそも俺のスマホ自体にロックかけてるから、俺のスマホを奪ったところで何もできないよ~?」


・・・・まあ、そうなりますよね。


「こんなネックレス要らないんだけど」

「……ふーーん。ま、お前にとっても悪くはない話だと思うけどね」

「どういう意味?」

「お前はもう俺のモンって決まってんの。で、お前は俺の言うことを何でも聞かなきゃでしょ?……俺がお前に求めんのは……その体ってわけ」


──── はい?いや、今なんて?


「……は?」


か、かっ、からだぁぁ!?

あたしはバッと体を両手で覆った。こいつ、やっぱ体目当てだったの!?あたしを売り飛ばす気?

それとも──。

『俺の性欲処理機になれよ』

『いやっ、やめてぇぇー!!』

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