俺様御曹司は逃がさない
──── “天馬学園”
あたしでも聞いたことがある超有名な学校じゃん。
天馬なんて超お金持ちか、ある程度の財力と高い学力必須な所だよね?
ハハハ……いやいやいや、どう考えてもあたしとは無縁すぎるよ、天馬学園なんて──。
「お馬鹿ちゃんでも分かるように、お前のやるべきことを簡潔に説明してやるよ」
いえ、結構です。
そんな場違いな所には行きたくありません。というか、なんで上から目線?頼んでもないのに説明させるとか迷惑極まりないんですけど?
「──── 天馬のエリートコースには“サーバント制度”つーもんがあんだけど、要は“マスター(主人)”と“サーバント(使用人)”って制度ね?ぶっちゃけ召使いなんて要らねんだけど……ま、学園の方針じゃ仕方ないじゃん?」
──── あなた、学園とやらの方針とやらに素直に従うタマでもないでしょ。なにをほざいてんのかな?
あたしは冷めた目で九条を見ることしかできない。
「で、もうここまで言えば、お馬鹿なお前でも察しはついてんでしょ~?これで分かんなかったら馬鹿とかのレベルじゃないよねえ」
・・・・“サーバント制度”……要は九条の“サーバント(使用人)”になれってことでしょ?……は?むり、ムリ、無理、絶っっ対に無理ぃぃ!!そんなの嫌だ!!
「そ、そんなの無理でしょ……。いくらサーバントとはいえ、ある程度の家柄・教養は必須じゃないの?あたしっ……」