俺様御曹司は逃がさない
「うん。お前の言う通り、サーバントはなりたいって言ってなれるようなもんじゃない」


でしょうね!!だったらあたしがサーバントになるなんて無理じゃん、不可能じゃん、嫌だよそんなの!!


「だったらっ……」

「特例」


・・・・と、特例……?


「なによ、それ」

「俺""は""何でも許されるっつーことかな?で、その首輪は“俺(九条)のサーバント”ていう証。誰のサーバントか分かりやすく印をつけとく的なやつね~。よし、もう喜んでいいよ~?ほら、喜べよ。俺のサーバントになれる奴なんてお前くらいだし。嬉しいだろ?」


ニヤッとして満足気な表情をしている九条に呆れて何も言えない。ほんっと自信家ってのも良し悪しだな。

何気なくペンダントトップを見てみると、校章らしきデザインの真ん中に“九”の文字が刻まれていた。


「……はぁぁ。何日?」

「あ?なにがぁ?」

「だから、何日間あんたのサーバントやればいいわけ?」


こうなったらやるしかないでしょ、罰ゲームだと思って……。

さすがの九条だって、数ヶ月もあたしにそんなことさせないだろうし。“何でも言うことを聞く”なんて口約束だし、長くても1週間くらいなもんかな?


「ハハッ。なに言ってんの?お前」

「……え?」

「そんなもん3年間に決まってんでしょーー」


・・・・はい? 

3年間……?3年間ってなに?3年……さ、さんねんっ!?

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