【短編】お向かいの双子くんは私のことがお気に入りらしい
お向かいさんはイケメン双子
生まれ育った町に帰ってきて早3週間。
私、高梨 小夏(たかなし こなつ)にはとある日課がある。



「こーちゃーん、松木(まつき)くん達来てるよー」

「はーい」



全身鏡の前で制服のリボンを着けていると、部屋の外から妹の呼ぶ声が聞こえた。

ブレザーに袖を通し、スクールバッグを持って階段を駆け下りる。



「いってきまーす」

「小夏っ! お弁当!」



靴を履いて立ち上がった瞬間、エプロン姿の母が慌ててやってきた。



「もう、出る前に取りに来てって何度も言ってるでしょう」

「ごめんごめん。今日は何入れたの?」

「たけのこご飯と豚肉。まったく……新しいお弁当箱にしたんだから、今日こそちゃんと持って帰ってくるのよ?」

「はぁーい」



呆れた様子の母に返事をし、弁当箱と水筒が入ったバッグを受け取った。再度「いってきます」と言って玄関のドアを開ける。



「こーちゃん、おはよう〜」

「おはよ」

「おはようっ!」
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