【短編】お向かいの双子くんは私のことがお気に入りらしい
表札の前で待つ、制服を着た男子2人組に元気良く挨拶した。



「今日も揉めてたね〜」

「うえっ、聞こえてた⁉」

「うん! こーちゃんママ、声ハキハキしてるから」

「また何かやらかしたの?」

「あはは……ちょっと、忘れ物をしちゃいまして」



苦い笑みを浮かべて間に入る。


柔和な雰囲気と茶髪が印象的な彼は、お兄さんの紅輝(こうき)くん。

弟の紅耀(こうよう)くんは、クールな雰囲気と黒髪がチャームポイント。


2人は向かいの家に住む双子の男の子で、私と同じ学校に通う高校2年生。小学校も同じで、元クラスメイトでもあるんだ。


談笑しながら歩くことおよそ15分。学校に到着した。

裏門から昇降口に向かい、階段を上って3階へ。
紅耀くんは隣のクラスなので、紅輝くんと一緒に教室に入る。



「おっはよ〜」

「あ、来た来た」

「紅輝ーっ、高梨ちゃーんっ」
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