【短編】お向かいの双子くんは私のことがお気に入りらしい
紅輝くんと同様、優しい性格。だけど、心配性なところが玉にキズ。


転校したばかりだから、色々と気がかりなんだろうな。気遣いできるのは素晴らしいけど、そんなに思い詰めないでほしい。


念入りにバッグの中を確認してドアを開けた。

すると、その音に反応してこっちを向く人物が2人。


手前には、先に出た桃乃がいて……。



「こーちゃんのドジっ子! ドジっこーちゃん!」



私を見るやいなや、捨て台詞を吐いて走り去っていった。

え? ドジ? っていうか、なんか怒ってなかった? 



「おはよ」



先ほどとは正反対な態度に戸惑う私に、紅耀くんが挨拶してきた。



「お、おはよう……」



目が合った瞬間、先週の出来事がよみがえり、顔が熱を帯びていく。


マスク着けてて良かった……。

あぁでも、この姿で挙動不審になってたら、逆に怪しまれちゃうよね。



「あの……この間は、ごめんなさい」
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