【短編】お向かいの双子くんは私のことがお気に入りらしい
自動ドアから入店し、辺りを見渡す。

ドラッグストアは何度も行ったことはあるけど、このお店は前住んでたところにはなかったから、ちょっぴり新鮮な気分。


キョロキョロしながら後を追い、美容品売り場にやってきた。

肌荒れに悩んでると伝えたら、おすすめの化粧水を教えてくれることになったんだ。



「肌荒れが気になる時はこれで、乾燥が気になる時はこれ。今はしっとりタイプを使ってる」

「使い分けてるんだ。美意識高いね〜」

「いやそんな。敏感肌だから気を遣ってるだけだよ」



テスターを渡され、手の甲に塗ってみる。


わぁ、すごくしっとり。そして伸びがいい。

最近少し乾燥気味だったからちょうど良さそう。今使ってるのがなくなったら、夏に向けて美白タイプを買おうかな。


一通り試したところで、次は化粧品売り場へ。



「あ、これだっけ? 今朝塗ってもらったやつ」

「そうそう。顔色が悪い時は、上から赤リップ重ねてる」
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