【短編】お向かいの双子くんは私のことがお気に入りらしい
紅輝くんがドアを開けると、窓際の席に座る男女2人組が「おはよー」と手を振ってきた。自分の席に荷物を置いて彼らの元に向かう。



「おはようっ。今日は郁恵(いくえ)ちゃんのとこなんだ」

「朝から日なたぼっこデート?」

「違うわよ。GWに遊びに行く計画立ててたの」

「ほぉ、デートですか。ラブラブだねぇ〜」

「いやぁ、それほどでも〜」



紅輝くんにつつかれてデレデレする、可愛らしいお顔の男の子。

彼は榎本 大翔(えのもと ひろと)くん。松木くん達とは中学時代からのお友達。

その向かい側に座るのは、クラス委員の矢萩(やはぎ) 郁恵ちゃん。

キリッとした顔立ちの美人さんで、彼女も松木くん達と同じ中学出身。榎本くんとは高1の頃から付き合っているらしい。



「で? どこに行くの?」

「今のところ、動物園か公園に行く予定」

「公園? ピクニックするの?」

「それもあるけど、お花観たいなと思って。天気良かったらの場合だけど」
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