【短編】お向かいの双子くんは私のことがお気に入りらしい
お店をいくつか見て回った後、2階に上がり、紅輝くん行きつけの服屋さんへ向かう。

彼によると、サイズ展開が豊富で、今着ている柄物のシャツもこのお店で買ったらしい。



「何か気になったものある?」

「うーんとね……」



レディース服コーナーをざっと見渡す。


今日の目的は、ピンクリップに合いそうな服を選んでもらうこと。


イメージしやすいように塗ってきたけれど……目につくのはパーカーとデニム。

今着てるのとほぼ変わらないからなぁ……。でも嘘をつくのは良くないし……。


頭をひねっていると、下段にひっそりと陳列されているサンダルが目に止まった。手に取って眺めてみる。


夏らしく爽やかな白。

ハイヒールだけど、前部分が厚底になってるから、ヒール初心者でも履きやすそうだ。



「履いてみる? そこに椅子あるし」

「うんっ」



ちょうど今履いている靴と同じサイズだったため、試し履きすることに。

スツールに座り、靴を脱いでサンダルに足を入れてみたのだけれど……。



「どう?」

「んー、少しきつい」
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