【短編】お向かいの双子くんは私のことがお気に入りらしい
声が遠のき、袋を下ろす。
単なる仲良しなクラスメイト。
俺が学校帰りに寄り道したみたいに、紅輝も案内したくなったのかもしれない。
気持ちはわからなくもないけど……。
「なんで黙ってたんだよ……」
湧き上がる寂しさと悔しさ。
買い物袋を強く握りしめて、親密な2人から目を逸らした。
*
翌朝。登校準備を進めていると、紅輝くんから電話がかかってきた。
「──そう。出てるのは、鼻水と熱だけ?」
【うん。熱といっても微熱だから、だるい感じだ……あっ】
話が中断され、電話口の向こうからズズーッと鼻をかむ音が聞こえた。
【何回もごめんね。こーちゃんは平気?】
「なんともないよ。プリントとかあったら届けるね」
【ありがとう、お願いします】
単なる仲良しなクラスメイト。
俺が学校帰りに寄り道したみたいに、紅輝も案内したくなったのかもしれない。
気持ちはわからなくもないけど……。
「なんで黙ってたんだよ……」
湧き上がる寂しさと悔しさ。
買い物袋を強く握りしめて、親密な2人から目を逸らした。
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翌朝。登校準備を進めていると、紅輝くんから電話がかかってきた。
「──そう。出てるのは、鼻水と熱だけ?」
【うん。熱といっても微熱だから、だるい感じだ……あっ】
話が中断され、電話口の向こうからズズーッと鼻をかむ音が聞こえた。
【何回もごめんね。こーちゃんは平気?】
「なんともないよ。プリントとかあったら届けるね」
【ありがとう、お願いします】