【短編】お向かいの双子くんは私のことがお気に入りらしい
体を寄せて話に耳を傾ける。


榎本くんは大の雑貨好きで、季節に合わせて部屋を飾りつけるのが趣味。

前回のデートでは、雑貨屋さんでうさぎの置物を購入し、ガチャ売り場でイースターエッグを全色揃えたのだと。


ランダムグッズ全制覇……これは止められてもしょうがないな。


ホームルームが始まるまで、デートプランの相談に乗りつつ榎本くんを慰めた。







全ての授業が終わり、放課後の時間に。

スクールバッグを肩にかけ、机のフックにかけた手提げバッグを取る。


今日の分と、先週の金曜の分。

丸2日放置しちゃったけど……大丈夫、だよね? 中身サンドイッチだったし、今朝ホームルーム終わった後と昼休みに2回洗ったから、まだ使えるはず。だと信じたい。



「こーちゃんっ」



忘れ物がないかを確認して教室を出ようとしたら、紅輝くんに呼び止められた。



「ごめん、急用できちゃった。先帰ってて」

「わかった。また、お呼び出し?」

「……うん。ほんとごめんね。終わったらダッシュで向かうから」
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