【短編】お向かいの双子くんは私のことがお気に入りらしい
「そうなの?」

「うん。小学生の頃は知らないけど、みんなゴホゴホいってる中、1人だけピンピンしてたから」

「逆に紅耀はよく引いてたよな。季節の変わり目は毎回休んでたし」



へぇ、双子でも全然違うんだ。

振り返ってみたら、確かによくマスクつけてたかも。



「でも1回高熱で寝込んだ時あったよな?」

「中3だったっけ? 進級早々気の毒だったよね〜」



中3、進級のタイミング。

嫌な予感がして胸騒ぎが起こる。



「ねぇ、もしかしてそれ、山路さんが関係してたりする……?」



恐る恐る尋ねると、2人の目が大きく開いた。



「えっ、なんで知って……」

「紅輝から聞いたの?」

「……うん。実は昨日、偶然その人に会ったんだ」



紅輝くんと出かけた先で遭遇したこと。
彼から過去を打ち明けられたこと。

そして、2人がどんな様子だったかを話した。
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