【短編】お向かいの双子くんは私のことがお気に入りらしい




放課後。裏門で紅耀くんと待ち合わせし、2人で下校する。



「え……紅耀くんも?」

「うん。新しいシーツ買いに。毛羽立ってチクチクしてたから買い替えようと思って」



「お母さんと一緒に行ったんだ」と話す彼。

何気なく休日の話題を出したら、なんと紅耀くんもショッピングモールにいたことが判明した。



「小夏も何か買ったの?」

「うん。サンダルと、Tシャツ2枚。いっぱい買ったからお財布すっからかんになっちゃった」



てへへと笑ってみせるも、本日3度目の胸騒ぎが起こる。


山路さんと、会ったのかな。


短時間しかいなかったのなら、お互い気づかなかった可能性もありそうだけど……。

もし紅輝くんみたいに注目を浴びてたら……。



「なぁ、あいつと付き合ってるの?」

「へっ?」



住宅街に差しかかる横断歩道の前で素っ頓狂な声を上げた。



「昨日、一緒にいるところ見かけたから。デートしてたの?」

「いやいやいや! 紅輝くんオシャレって聞いたから、相談に乗ってもらってただけ!」
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