【短編】お向かいの双子くんは私のことがお気に入りらしい
初恋の人
GWが半分過ぎて5月に入った。

ブレザーとしばしの間お別れをし、鏡の前でリボンの形を整える。


ピンクのシャツと白のカーディガン。

前の学校は白と青のシャツしかなかったから、憧れだったんだよね。


準備を終えて玄関に向かうと、外から楽しげに話す声が聞こえてきた。



「あ、こーちゃんおはよう〜」

「おはよ」

「もう、遅いよお姉ちゃん」



聞き耳を立てながらドアを開けたら、松木兄弟の隣にジャンバースカート姿の人間が1人。



「おはよう……なんで日和(ひより)がいるの?」

「途中まで一緒に行こうよって誘われたの。いちゃ悪い?」

「いや、別に……」



ジト目で顔を近づけてきた妹の日和。

私よりも背が高く、モデルのようにスラッとしていて大人っぽいが、まだ中学1年生。


そっか、松木くん達から見たら後輩にあたるんだっけ。

日和が来るなら、多分2人ずつに分かれるから……。



「紅輝くんはGWどこか行った?」
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