総長様は姫の姿を誰にも見せたくないようです。

転校初日〜瑠衣奈side〜

今日も今日とて私達姉妹の家に関わりたいと考える女たちが周りに引っ付いてて気持ち悪かった。日替わりで引っ付き虫たちの相手をするようにした10年前から比べると対応も慣れたものになってはいるが1人で多数を対応するのは疲れる。今日は桃々が当番の日なので桃々に全て任せているが四六時中だるそうな視線がこちらを指すのでこちらもだるくなる。その時、女に黄色い声を出させる容姿を持ち、私達のEmmaを何が何でも総長から奪おうとしている生徒副会長を見つけた。そのため、女の輪の中に混ざっていた私の入っている族の幹部クラスの奴の彼女で交流のある女に目配せをし、アイツに興味が移るように示す。その女が了解と目配せをし、声を上げる。
「あ!ねぇねぇ。颯士様だよ!」
その途端、皆がアイツに気を取られる。
「はー助かった。」
「瑠衣奈さん、桃々さん。アイツ、女連れてますよ。ついにEmmaに執着するのやめたんですかねぇ~」
「いや、それはない。」
「じゃあ何でですかぁ?」
「今日から転入してくる子がいるってパパが言ってた子何じゃないの?」
「...瑠衣奈さん、桃々さん。あの女の雰囲気、優姫さんに似てません?」
優姫=Emmaだということは守秘義務があるため外で安易に発言してはいけない。それを理解していて実際に守秘義務を守るものであり、総長らから信頼されているもののみ教えられるのが優姫=Emmaという事実だ。実際にここにいる女...瑠々(るる)はそれを教えられている数少ない人物だ。
「ホントに優姫ちゃんみたいな雰囲気だね。」
「ちょっと仕掛けに行きません?」
「副生徒会長、こんにちは。そちらの女性は?」
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