総長様は姫の姿を誰にも見せたくないようです。

総長サマとの出会い

生徒副会長さんに連れられて着いたのはものすごく大きなお屋敷。私の家とほぼ同規模かな~って思ってると、
「この家はさっき会った理事長とその息子が住んでいる家だ。お屋敷はもともと学校の敷地外となる場所に立っていた。しかし、寮生活にするなど最初の計画の改善点がでてきてしまい、敷地を広げるのにも理事長の家の敷地を入れなければならなくなった。ただそれだと理事長の家のセキュリティが危なくなってしまう。そのため、理事長の家の敷地内に入れる者、建てられる寮に住める者は理事長の許しが出たものだけだ。」
とお屋敷に入り、お部屋の場所まで行く途中に教えてくれた。
「そうなんですね。ご説明ありがとうございます。副生徒会長さん。」
というふうにお礼をいうと副生徒会長さんは顔をしかめた。どうしたんだろうと思ってると、
「俺のことは颯士でいい。」
「あ、分かりました。颯士さん。」
「着いたぞ。この部屋だ。ご飯などは小さいキッチンが目の前の部屋にあるからそこを使え。」
「案内ありがとうございます。」
そう、お礼を言っていると、ガチャと音がして音のした方を見ると男の人がいた。
「颯士。この女は誰だ。」
「お前、理事長から聞いてるだろ?」
「...何も聞いてない。」
「理事長は言ったと言っていたぞ。」
「...あー転入してくる人の住む部屋が無いからこの屋敷の空いた部屋に住ませるって言ってたけど女なのかよ。」
「お前、めんどくさくて適当に流すからだろう。ただ、2週間限定だ。2週間分だけ掃除代行者を頼んであるから2週間だけ、ここで生活することになっている。」
「...その後はどうすんだ?」
「幼なじみに早乙女姉妹がいるそうだ。そのため早乙女姉妹の住む家に住むらしい。お前が女に興味持つのは珍しいな。」
「別に。お前に色目を使わない女はselasの奴らの女しか居ないからな。」
「それはお前に対してもだろう。」
何の話をしているのか私にはわからないことだったから気まずくなっちゃった...すぐに部屋に入りたいぐらい気まずかったけど、挨拶もなしに去るのは違うよね。
「...あの!これから2週間よろしくお願いします!」
「...ああ」
そっけなかったけど返事してくれたってことは優しい人なのかな...?この業界の御曹司はタイプが2つに分かれる。1つは御曹司という肩書を利用しいろんな女の子と交流するタイプ。もう1つは御曹司という肩書にばかり注目されいろんな女の子が近寄ってくるせいで女の子に対して苦手意識を持つタイプ。雪くんは後者だから近寄ってくる女の子には素っ気ないけど、仲間や幼なじみには優しい人。理事長さんの息子さんも後者っぽかったけど...
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