メガネをはずしちゃいけません!

_____…


美奈「はぁ…」

放課後、帰りの挨拶が終わった教室で
私は沈んでいた。


彩香「ちょっと何?朝はあんなに幸せそうだったくせに、ため息なんかついて!」

美奈「いや…ちょっと色々ついていけなくてさ…気持ちが。」


彩香「はいはい、続きはいつもの場所で聞くから。ほら、行くよ!」


美奈「そうだね…。」

ほんと、朝はあんなに体が軽かったのに
今は鉛のように重い。

なんなんだ、コノヤロー。
心の中で暴言を吐いていると、


相沢「なんかあった?」


いつこっちに来たのか、相沢くんが
心配そうに話しかけてきた。


あ…


___"俺、美奈の笑顔、可愛いと思う"___


ぎゃあああ!

思い出すな!今思い出しちゃだめだからね?


美奈「あ、相沢くん。私なら大丈夫!」


自分に言い聞かせながら
必死に平常心で答えた。

相沢「…美奈。」

美奈「…なに?」


あ…また…

相沢くんが…少し寂しそうな顔をしてる…
…どうして…


パチン!



彩香「はい、そこまでー!相沢くんごめんね!美奈は今日私と先に約束してたの!
だから、また今度ね♪」


彩香はそう言って手を叩きながら
半ば強引に私たちの間に入り、
私の腕を掴んだ。


彩香…余程私の話が気になるんだね。

彩香「ほら、いくよ!美奈。」


美奈「あ、…うん。そういうことなので
また明日。相沢くん。」


相沢「おう…」


少し不満げな相沢くんを残し、
私たちはいつものカフェへと向かったのだった。
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